教えておくれ懐かしいあのテキサスまでの帰り道を。

早目に起きてやる事なかったので牛乳飲みながら窓からの景色を眺める。
んー、海が見えるっていいものだね。
そう言えばスウェーデンのどっかの街が「魔女の宅急便」のモデルになったとかならんとか。
何となく納得できそう。

全員が起きたところでD宅で朝食。
パンにバター塗ってチーズ乗せて食う平和な朝。
ここでD友夫婦が実家に帰るとの事なのでお別れ。
アメリカまで行く事があればまた会いましょう、みたいな?

それから暫くしてD友が来訪。やっぱスウェーデンなんだけど他の町に住んでるんだってさ。
んで、暫くうだうだとしながらテレビをぼけーっと見る。
なんか歌番組。しっかしそういう特集なのか知らんがめちゃめちゃ幼いな。
多分最高で15歳とかくらいじゃないか?北欧にもアイドル低年齢化の波が?

ここで気付いた事を少し。
スウェーデンは母国語がまんまスウェーデン語なんだけど、
意思の疎通ができるノルウェー語、デンマーク語を合計しても話者が一千万人切ってるらしいのね。
んで、そんなマイナー言語を持った国の宿命として第二は当然、大学では第三外国語まであるそうな。
第一外国語は昔はドイツ語だったけど今は当然英語。
この第一外国語がえーと、小三だったかな?その辺りから教育されるらしい。
そんな訳でスウェーデン人はほぼ全員が英語をかなり高いレベルで理解できる。それは実感した。

で、本題なんだけど、スウェーデン国内でアメリカの番組を放送する時って吹き替えしないのな。
スウェーデン語で字幕が出るのだけど声は英語まんま。結構びっくり。
公用語でもない言語をそのまま垂れ流すって新鮮な体験だ。
自分はそれなりの期間海外で暮らしていたのだけど、そう言えばマイナーな言語の国って住んだ事ないんだよな。
他のマイナー言語な国もこんな感じなんだろうか。

そんな事を考えている内に新しい番組が始まる。
アイドルになりたい10代の若者がオーディションを受ける、つー番組なんだけど、なーんかマネーの虎っぽい。
いや審査員の語りとか雰囲気とか。スウェーデンの番組なんで当然わからんのだけど。

いい時間になったのでDと連れ立って外出。D友は買い物済ませたら合流するってさ。
今日の目的地はスカンセン。屋外博物館というよく解らない名前。
要はスウェーデンの昔の家や道具や自然や動物なんかを集めた、明治村のごっつい奴みたいな感じ?
いや明治村なんて占星術殺人事件でしか知らんけどさ。

バスにがたごと揺られて到着。晴れてよかったね。
受付でふらふら聞いてふらふら彷徨う。何でもガラス工房があるそうなので行ってみる。
ガラス工房と聞いて真っ先に思い出すのが
おジャ魔女どれみドッカ〜ン!」の「どれみと魔女をやめた魔女」ってのはどうなのよ。



しかし流石に職人さんの手際って見てて楽しい。
なんかこう、いい意味でイカサマっぽいのが。

あっという間にトナカイを作り上げたのを見て満足。
御土産コーナーも覗いてみる。



ガラスのトナカイ。15分くらいで作ってた。

ついでに見つけたもの。



ほら、まぁ、おジャ魔女つながりって事で!ね!

後は昔の家や農具を見ながらずるぺた散策。



パン屋。売り子さんが可愛い。



こんな雰囲気。村っぽい。



タイル張りの暖炉。芸術品の粋だね。

こういう施設で働いている人って差異はあれど自分の国が好きなんだろうなぁ、
と自分のナショナリズムのなさにやや凹みそうになったところで屋台発見。
トナカイの肉を売ってたので試食させてもらう。もぎもぎ。
んー、サーモンジャーキーの獣肉版、てな感じだ。悪くない。
基本的に燻製したものしか存在しない、という話をやたら陽気なオヤジから聞く。
じゃあトナカイ刺はないのかー。ま、粗悪品だとサンタの肉が混じってたりすんだよ。きっとな。

そっからぽてぽて歩いて動物コーナーまで。わーいケダモノ!四足獣!
解らない人も多いかもしれないけどM:tG風に説明してみる。



2/2。トークン出そうトークン。



群れると5/4偽ランページ。確かにでかい。



多分1緑で1/1森渡り平地渡り山渡り。無駄にアンコモン



死ぬと黒い2/1トークン出てきそう。



4マナ3/3トランプル。構築じゃちょっとね。



みんな+1/+0トランプル。いやー、これは+2くらいいくでしょ。

狼やウルヴァリンも見たかったのだけど見れず。残念。
と、小高い丘に来たのでタバコ吸いながら一休み。のんびりするね。



眺望。いい街だね。

風車を見上げながら歩いていると、割合観光客だけじゃないっぽい事に気付く。
確かに子供は動物見てりゃ満足だし、自国の歴史に触れるのも楽しいしね。
こういういくつになっても楽しめる場所って希少かも、と思いながら気付いたら腹減った。
ので退園し、歩いてすぐの遊園地まで。え、えー。



とうちゃーく。

てか、ココって昨日船から見たところじゃなかったっけ?
首を捻りながら何故かまたタイ料理。ま、好きだからいいんだけどさ。
ビール飲んで麺食って満足していっちょ遊ぶか、という話に。
からくりハウスが気になったのでレッツゴー。

…こけた。あんよ痛い。
あと、最後のスライダーで本気でビビった顔をしっかり写真に撮られてた。お子様にも程がある。
ここでD友から連絡があり、合流。川面を見ながらのんびりビール。
後はゲームコーナーでエアホッケーやらピンボールやらバスケのゲームやら。
道化師の宙返りを見送りながら賭け屋台に。
1から100までの好きな数字に賭けてルーレットででたらすげえでかいチョコバーのセットが貰える…のはいいんだけど、
何故に横の2人は数字の半分を大人買ってますか。しかも外れてますか。
3回目にしてようやっと大当たり。すっげえ邪魔臭いデカいブツを抱えて帰宅。
あと俺チョコバー3つも4つも食えないっての。

しばし家でのんびりしながら晩飯の相談。
家で食う?外で食う?という問いにせっかくなのでレストラン行ってみようという返答を。
地下鉄にゴトゴト揺られて南地区まで。着いた先は…えっと、その。ここってノーネクタイでいいの?

慣れてる様子でさっさと頼むD。頷くだけの僕とD友。
メニューはシェフのオススメを頼んでワイン開けてぺちゃくちゃ。
あ、このパンハッカが入ってる。ガーリックバターにもだ。香草好きだな。
結構濃いブロッコリーっぽい味のスープの次に来たのがキノコ入りおじや。
で、このキノコがスウェーデン特産らしいのだけどめちゃくちゃ旨い。
旨いというかご飯が進む味。これが2、3本あったら丼で飯食える。
すっかり平らげたところでメインのアヒルのオレンジソース&マッシュポテト。
ポテトはドイツのと違い、粒が所々に残っててバターが濃くない。
旨い、旨いんだけど前菜で結構お腹が膨れているので辛い。
一切れ残して下げてもらい、ワイン飲んでたらデザート到着。マジか。
酢漬けっぽいクランベリーがかかったバニラアイス。
いや酸味と甘味がいいバランスで俺でも食える。腹いっぱいじゃなきゃな。
止めはシェフの好意で出してくれたカクテル味のカキ氷。無理。

しばらく動けない状態になってしまったのでだらーっと話。
このレストランはバーも併設しているので若い人たちも結構居る。
で、その内一人がDと同じマンションに住んでるらしく色々話。
…てたところで突如Dが立ち上がり向こうのテーブルに一人座ってた女の人に話し掛けてる。
知り合いかな、と思いながら見ていると連れ立って来てこっちのテーブルに座る。
…あー、いや、ありゃナンパだ。

それから皆で色々話。
女の人は写真家らしく、街の風景みたいなのをメインに撮ってるみたい。
つうか全員スウェーデン人なのに僕に合わせて英語で喋ってもらうのがアレだ。
Dが頼んだ日本酒トニックを飲みながら更にうだうだと話す。
そう言えばこっちの女の人って割とガングロだ。何ていうか、日焼けサロンで焼きましたー、って感じの黒さ。
やっぱ太陽への憧れって強いんだろうね。とかつらつら思いながらついついウォッカにも手をだしたり。
飲み終えた頃合で次の店に行くみたい。…って今2時!?
明日俺様5時起きの予定なーのーにー。

結局DとD友はその女子と共に夜の街へ繰り出し、僕は一足先に帰宅。
ベッドに潜って夢も見ないよ。

月が空に昇れば。